「新 問いかけの作法」を読んだ感想です。
この本の内容を一言で言うと「チームや個人のポテンシャルを最大限発揮するため、問いかけを活用しよう」という本です。
まず、前提とする考え方として、この本では、組織のあり方を「軍事型組織」と「冒険型組織」という二つのモデルで整理しています。
軍事型組織は、トップダウンで役割分担が明確、分業で仕事を進めるといった昔からあるような組織モデルのことです。例えば、エンジニア組織に置き換えて考えてみると、仕様が上から降りてきて、それを各人が担当範囲として実装する形に近いかもしれません。
このモデルはスケールしやすい一方で、
- 仕様の背景や意図が共有されにくい
- 「なぜそれを作るのか」という目的が薄れる
- 課題認識やプロダクト理解が個人ごとに分断される
- 改善や提案が生まれにくくなる
といった問題が起きやすい構造だといえます。
これに対して冒険型組織は、ボトムアップで、個人の興味・関心や専門性、こだわりを尊重しながら、一人ひとりの思考と判断をプロダクトに反映していく組織のことです。エンジニアが「実装者」ではなく「課題解決者」として機能する状態に近いといえます。
軍事型組織がいい場面もありますが、チームや個人のポテンシャルを最大限に生かすためには、冒険型の組織に切り替えていくことが良さそうです。
では、どうすれば軍事型から冒険型へ移行できるのか。その中心にあるのが、本書で書かれている問いかけの技術です。この本では、
- どんな問いがチームの思考を深めるのか
- とらわれてる点がどこで、こだわるべき点がどこなのか
- どういう順序で問いを組み立てるべきか
- 「見立てる → 組み立てる → 投げかける」という問いの設計プロセス
が具体的に整理されており、1on1、ふりかえり、プロダクト議論など、日常のシーンにそのまま応用できる内容になっています。
問いかけを意識的に設計・工夫することで、チームや個人の思考の質が変わり、結果としてポテンシャルを大きく引き上げられる可能性がある、ということを学べたのがこの本を読んで最もよかった点でした。
結局のところ組織の問題は、お互いのことをよく知らないことに起因することが多いかもしません。お互いの価値観やこだわりがわかるように、問いかけていくことが、大事だと思いました。
MEGUMI SHIMABUKURO