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Site icon image MEGUMI SHIMABUKURO

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📚 ダイナミックリチーミングを読んだ感想

ダイナミックリチーミングを読んだ. この本はチームの再編成について書かれた本だが、チーム編成のプロセスについて学べる良い本だった. チームトポロジー本と合わせて読むと良さそうという評判をどこかでみた気がしたが、まさにそんな感じの本だった. チームトポロジー本がチームのあるべき構造について書かれた本だとすると、ダイナミックリチーミング本は、その構造をどうやって作るかのプロセスにフォーカスした本だと思う. 大きめの組織の事例が多かった印象だが、チーム編成を変えていくプロセスは、組織の大小に関わらず、参考になりそう. リチーミングのパターンについて整理されており、これまでに経験したチーム編成のパターンと照らし合わせても何かしらのパターンに分類できたので、こういうのもちゃんとパターン化されて名前がついてるんだと感心した. 各パターンについては、マージパターン以外はなんとなく経験あったが、マージパターンは経験がなく新鮮に感じた. マージパターンとは、複数のチームをマージするチーム編成のことだが、これまでの経験上基本的にチームは大きくなったら適切なサイズに小さくするほうが無駄なコミュニケーションやMTGがなくなるので良いと思っていたので、こういうパターンもあるんだという発見があった.

この本の内容を簡単にまとめると、チームは状況に応じて変えていくべきで、そこには何かしら意図があるべき。そして変えたあとはちゃんとその意図に沿って進化していけるように調整や改善頑張ろうという話だと思う.

チーム編成について考えることが多い人や組織構造を変えていくプロセスに興味がある人へのおすすめの一冊.

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以下、GPTと会話しながら書いてたメモ

ダイナミックリチーミングとは?
  • チームのメンバー構成を固定せず、変化を前提として設計・運営するアプローチ
  • チームの“最適”は時間とともに変わる。だからこそ、意図的に再編(Reteaming)を行うことで、学習・成長・柔軟性を促す
  • 固定されたチームがベストという常識への挑戦。
  • 本書では比較的大規模な組織の事例が多く紹介されていたが、中小規模な組織においてもリチーミングの考え方は十分に有効
    • 少人数だからこそ、一人の異動やチーム構成の変化が大きな影響を持つ
    • 知識の循環や属人化の解消に対して、ペア交代や一時的な混成チームなどのリチーミング手法が効果的
    • 組織の拡大期やプロジェクトの切り替え時など、変化の多いフェーズで特に価値を発揮する
主な5つのリチーミングパターン
  1. One by One
    • メンバーが一人ずつ入れ替わる
    • オンボーディング、知識伝播、文化の継承
  2. Grow and Split
    • 拡大したチームを分割して2つのチームにする
    • スケールの健全な分離、サブドメインへの分割
  3. Merging
    • 複数のチームを統合する
    • ドメイン再設計、重複機能の解消
  4. Isolation
    • 特定の目的のために一時的に新チームを作る
    • 新機能開発、PoC、スパイクなど
  5. Switching
    • メンバーがチーム間をローテーションする
    • 知識共有、キャリア成長、属人化回避
よくあるアンチパターン・注意点
  • 責任の宙づり問題:隔離チームが作ったコードの保守を誰がするかが曖昧 → 明確な引き継ぎ戦略と事前合意が必要
  • 1on1依存症:チームの意思決定が1on1だけで進み、メンバー間で何が起きているか見えなくなる → オープンな場での合意形成が不可欠
  • 文化の固定化:安定したチームに安心して変化を避ける → 変化はチームの進化と学びの源と捉えることが重要
よかった・印象に残った内容
  • チームの最小単位はペア:本書では、チームとは「人と人との関係性のネットワーク」であり、その最小単位はペアであるとされている。ペア単位でのリチーミング(ペア交代)も立派なチーム再編とされ、小さな単位の変化がチーム全体の知識循環や文化形成に寄与するという考え方が印象的だった。
  • リチーミングはペア単位でも起こる:小さな変化がチームに大きな影響を与える
  • サイクルタイムの安定化が指標になる:リチーミングの成果は予測可能性の向上にも現れる
  • トライブロールアラインメントの活動:役割ごとに期待・成果・支援関係を明示する取り組みは、後のリチーミングを円滑にする
  • 文化を守るのではなく、根を保ちつつ進化させる:変化を恐れず、何を大切にしたいかを言語化しておくことの重要性
学びと実践に活かせそうなこと
  • チームを再編するときは「誰が動くか」だけでなく「なぜ今動かすか、何を狙っているか」を共有する
  • ペアや小チームの単位でのリチーミングから始めて、“変化慣れ”を育てる
  • リチーミングは設計すべき。行き当たりばったりではなく、知識の循環や責任の明確化を計画する
  • チームやロールの関係性を定期的に明文化し、組織の柔軟性と透明性を高める
ファシリテーションのポイント

ダイナミックリチーミングの文脈では、ファシリテーションは極めて重要な役割を果たす。なぜなら、リチーミングによって生じるチームの変化は、しばしば不安・混乱・誤解を生みやすく、そうした場面での対話の質と安全性がチームの再統合を左右するからである。ファシリテーターはその橋渡し役として、メンバー同士が理解し合い、再び一つの方向を向けるよう支援する存在となる。

  • Liberating Structuresの活用:特に「1-2-4-All」「What, So What, Now What?」「Troika Consulting」などは、チームの対話と学びを促進する。
  • TRIBE ROLE ALIGNMENTのような活動:役割ごとにアウトカム・観察される行動・他ロールへの支援と期待を明文化し、互いの仕事への理解と信頼を深める。
  • 対立やズレの兆候は場で扱う:チーム間の誤解や衝突は、活動中や終了後にマネジメントがフォローアップし、対話の場を持つことで健全な関係性を築く。
  • “見える化された対話”の場づくり:共有ドキュメントやコメント機能を使い、オープンに意見交換できる仕組みを意図的につくる。
参考リンク